昆虫

この小さなシャクトリムシは何なのか?|いもむし飼育日記

この小さなシャクトリムシは何なのか?

 

2023年4月9日

僕はとある里山近くの公園でいもむし探しをしていたら、すっごい小さなシャクトリムシに出会った。なんの種類のシャクトリムシだろうか?5㎜ほどしかない大きさで、自分でもよく見つけたもんだと改めて感心する。

 

そのシャクトリムシの顔(頭部)は茶色、胴体は黒色で横に白い線が走っていた。この小ささはおそらく1齢幼虫だろう。この子は桜の木で発見した。

 

めちゃくちゃ元気!

 

僕は去年からいもむし飼育にハマったが、シャクトリムシに関しては全然目も触れずだった。今年、桜の木で新芽の葉っぱを食べているのは何のいもむしなのか、気になって探していたら、シャクトリムシと判明しそこから興味を持ち始めた。

 

 

シャクトリムシって地味

 

シャクトリムシって、蛾の幼虫なわけだけど、蛾になると地味だしあんまり好きな色合いの子もいない。「育ててもな~パッとしないし」と思っていたけど、シャクトリムシ特有のくねくねする動きが、だんだん可愛く思えてきた。「意外と育ててみるのもいいかもしれない。」と思い、今年からシャクトリムシも飼い始めた。

 

話は戻るが、一体この小さなシャクトリムシは何のシャクトリムシなんだろう?

いもむし図鑑で調べたけれど、全然分からない。いもむし図鑑って、大きくなった状態のいもむしの写真を載せるから、若齢期のいもむしを図鑑で調べても、全然分かんないんだよなー。小さい時の写真も載せてほしい。

 

とりあえず、小さなタッパーに穴をあけて桜の葉っぱを1枚入れて飼育することにしてみた。(同じ種類のシャクトリムシを2匹持って帰ってきた)

 

成長したシャクトリムシ

2023年4月14日

シャクトリムシを見つけてから約5日。タッパーを見てみると2倍くらい大きくなっていた。サイズも1センチくらいはあるだろう。

「おっ!顔の形が変わってるー!可愛い!」と顔の形が猫っぽく可愛くなっているのを発見。ちょっと嬉しい。

(色は全体的に茶色で白いラインも無くなっていて、完全に別の種類のシャクトリムシに思えるほどだ。この子は2回脱皮しておそらく3齢幼虫だろう。)

 

早速、いもむし図鑑を広げて顔の形を見比べてみる。

 

「うーん、形的にこの3種類だろうか?」

今の段階で一番似ているのはオオシモフリエダシャクかな?

「でも、幼虫の発生時期が夏からになっているから、今は春だし違うかなー?」

「トビモンオオエダシャクなら春から出るから合っているけど、見た目が全然違うから別かなー?」

 

とかいろいろ考えていたら分からんくなった(笑)

 

ネットで探したらほぼ正解が見えてきた!

 

それでもやっぱりこのシャクトリムシの名前が知りたくて、ネットで検索してみた。

「トビモンオオエダシャク 1齢幼虫」

で検索してみると・・・なんと!

僕の小さいシャクトリムシと同じ色合いの画像が出てきたー!!

黒色に白のライン・・・おお!これは高確率でトビモンオオエダシャクだ!

こんな小さなシャクトリムシがあんな大きな姿にまで成長するのか!と思うとちょっとテンション上がってきた。春から夏にかけてゆっくりと成長すると図鑑に書いてあるから、いもむしの期間をじっくり見れるのは嬉しいなぁ。でもゆっくりってどのくらいの期間なんだろ?2ヶ月とか?

 

とりあえずこのまま成長を見守ろう。

 

トビモンオオエダシャクのきざしが見えてきた!

 

2023年4月18日

本日、家に帰ると・・・おおっ!!

ツノが伸びてるーー!!

かわいい!

 

どうやら脱皮をしたようで、いよいよトビモンオオエダシャクの特徴である2本のツノが現れてきた。

 

 

ますます猫っぽくなってきてかわいい!

 

今回の脱皮でおそらく3齢幼虫だ。

まだまだ進化を残しているというわけだな。

 

こんな格好もできるんだね。

 

 

実際のサイズはこんな感じ。

思ったより小さかった?

1.5cmといったところだろうか。

たくさん葉っぱ食べて大きくなるんだぞー!

 

可愛さ全盛期到来!

 

4月23日

 

4齢に脱皮して完全にトビモンオオエダシャクの見た目になった!

猫みたいなお顔が最高に可愛い!成長も一気に進みかなり大きくなった。

あまりにも可愛いので、色んな角度から写真撮影をして、

これが1番お気に入りの1枚だ。

 

 

さらに気づいた事がある。

トビモンオオエダシャクの糸は太く頑丈で、平気で糸をよじ登ることができるようだ。

これで葉っぱから落ちそうになっても命綱で戻る事ができる。

 

 

食事シーン

小さな前脚で葉っぱを食べる姿が可愛い〜

食欲も旺盛でフンもたくさんしていた。

 

ついに最終形態へ

 

5月27日

ようやく終齢幼虫になり、ツノが丸見みを帯びて太くなっている。

最終形態も4齢に負けないくらい可愛い!

 

 

食事もこれまで以上に食べてます。

 

 

仲良しさん笑

 

3匹飼育していたのでたまにくっつくこともありました〜

乗っかられても全く動じなく、本当に木になりきっているようだ。

 

2齢から4齢までの脱皮殻を集めてみた。

殻の頭部でさえも可愛い!

 

土に潜り蛹の準備へ

7月初め

長い幼虫期間を経て、いよいよ蛹の準備で土に潜り込む。

写真はないが蛹になるまでは無事に行けたようだ。

後は来年の3月に無事羽化するかどうか?

 

結果は?

2024年3月

全く羽化してくる気配がない・・

トビモンオオエダシャクは通常であれば3月に羽化するが、4月になっても羽化してこないため、土を掘って確認してみた。

 

結果、3匹中2匹は蛹の中が溶けており、空洞になっていた。

後のもう1匹は綺麗な形を保っているが、カチカチになっていて羽化できそうな様子ではなかった。

3匹とも息絶えているようで残念・・

長期間蛹を管理するのは難しいようで、

いもむしを飼育している人でも結構死んでしまうようだ。

 

 

本来であれば、このような大きめの蛾が羽化するはずだった。

写真は2023年の3月に野生で見つけたトビモンオオエダシャクである。

 

今回は初めてのシャクトリムシの飼育ということもあり、いろんな発見があって楽しく観察もできた。

 

また機会があれば、今度はトビモンオオエダシャクを羽化まで育てていきたいな!